宇都宮大明神は下野国宇都宮に在す。本地は普賢菩薩なり。
甲賀太郎は次郎が父の遺言に背いた事を知り、下野国宇津宮に下って示現大明神として顕れ給ひた。
本地垂迹の理を明らかにし、神仏一体の証なり。
宇都宮大明神(下野国一宮・二荒山神社)の本地は普賢菩薩。甲賀三郎伝説の長兄・甲賀太郎が、弟の次郎(諏方大明神)が父の遺言に背いた事を知り、下野国宇都宮に顕現したという縁起を持つ。諏方大明神事(巻第四・巻第十)と兄弟関係で連動する。
宇都宮二荒山神社(栃木県宇都宮市)は下野国一宮で、中世には宇都宮氏の氏神として関東の有力神社の一つ。甲賀三郎伝説(父の遺言・地底の旅・兄弟の確執)は神道集の中核的な枠物語で、諏方大明神事(甲賀次郎=諏訪明神)・宇都宮大明神事(甲賀太郎)・日光権現事(三郎)などが互いに連動する大縁起群を形成している。普賢菩薩を本地とする点は東国では珍しく、宇都宮氏の法華信仰との関連が指摘される。
| 前生の姿(因位) | 顕現先・場所 | 本地仏 |
|---|---|---|
| 甲賀太郎(兄) | 宇都宮大明神 二荒山神社 | 普賢菩薩 |