宇佐八幡宮は八幡大菩薩なり。
本地は釈迦如来なり。垂迹は応神天皇なり。
神功皇后が三韓を征伐せし時、八幡神託ありて、「我は応神天皇の御霊なり。八幡と号す」と云う。
八幡の名の由来は、八正道を正しく守る故に八幡と云う。また八苦を離るる故に八幡と云う。
宇佐の地に顕現し、大菩薩と称せらる。
神託に云く、「我は天照大神の御子孫なり。国家を鎮護し、仏法を擁護す」と。
大仏建立の時、神託ありて、「我が力によりて銅を以て大仏を鋳るべし」と。これによりて東大寺大仏建立の功を助け、八幡は国家の守護神と成る。
宇佐八幡宮は八幡総本宮なり。全国に八幡社数万あり。
本地垂迹の理を明らかにし、神仏一体の証なり。
宇佐八幡宮の本地仏が釈迦如来、垂迹が応神天皇であることを示す。「八幡」の名を八正道・八苦との関連で説明し、東大寺大仏建立への神託という歴史的事実を交えて、宇佐八幡が国家鎮護・仏法擁護の神として機能してきたことを強調する。全国数万の八幡社の総本宮としての権威を確立する縁起。
「八正道(はっしょうどう)」は仏教の修行の根本(正見・正思・正語・正業・正命・正精進・正念・正定)。「八苦」は生・老・病・死・愛別離苦・怨憎会苦・求不得苦・五蘊盛苦。
東大寺大仏開眼(752年)に際して宇佐八幡神が銅の産出を神託で助けたという伝承は、八幡信仰の国家的権威を示す歴史的エピソード。宇佐八幡が『神道集』の巻頭近くに置かれるのは、本地垂迹説を最も端的に体現する神社として位置づけられているためである。
| 垂迹 | 本地仏 |
|---|---|
| 宇佐八幡宮(応神天皇) | 釈迦如来 |