能登石動権現は能登国の一宮なり。本地は十一面観音なり。
泰澄大師が開山せし山に顕現す。
本地垂迹の理を明らかにし、神仏一体の証なり。
能登石動権現(現・石動山大智院、石川県中能登町)は能登国の一宮とされ、本地は十一面観音。越前の泰澄大師が開山したという伝承を有し、北陸の山岳霊場として修験者・在地武士の信仰を集めた。本地垂迹の枠組みで山岳の神威を仏教的に説明する。
石動山(いするぎさん)は能登半島基部の霊山で、泰澄(越前の高僧、白山開山者)との縁起を共有する。白山権現事(巻第六)・立山権現事(巻第四)とともに北陸山岳信仰の系譜に属し、十一面観音を本地とする点でも立山と共通する。泰澄開山という権威付けは越前・加賀・能登の山岳寺社に共通して用いられる縁起の型である。
| 前生の姿(因位) | 顕現先・場所 | 本地仏 |
|---|---|---|
| 能登石動権現 | 石動山 本殿 | 十一面観音 |