一宮は小野大明神、本地は文殊菩薩なり。二宮は小河大明神、本地は薬師如来なり。
三宮は火河大明神、本地は観音菩薩なり。四宮は氷川大明神、本地は不動明王なり。
五宮は二宮大明神、本地は地蔵菩薩なり。六宮は六所大明神、本地は大日如来なり。
本地垂迹の理を明らかにし、神仏一体の証なり。
武蔵国の六宮(総社)それぞれの本地仏を列挙する。一宮小野(文殊)・二宮小河(薬師)・三宮火河(観音)・四宮氷川(不動)・五宮二宮(地蔵)・六宮六所(大日)という対応関係を示し、東国の国家的祭祀を本地垂迹の体系で説明する。
武蔵国総社(現・大國魂神社、東京都府中市)は武蔵国内の有力神社を六所に集約して合祀した総鎮守。四宮の氷川大明神(現・氷川神社)は現在も埼玉県の一宮として著名。六社を一括して本地仏を割り当てる形式は稲荷三社・春日四社などと共通する列挙型縁起形式で、神道集が東国の地域社会の宗教的秩序を仏教の枠組みで説明しようとした意図を示す。
| 前生の姿(因位) | 顕現先・場所 | 本地仏 |
|---|---|---|
| 一宮小野大明神 | 小野神社 | 文殊菩薩 |
| 二宮小河大明神 | 小河神社 | 薬師如来 |
| 三宮火河大明神 | 火河神社 | 観音菩薩 |
| 四宮氷川大明神 | 氷川神社 | 不動明王 |
| 五宮二宮大明神 | 二宮神社 | 地蔵菩薩 |
| 六宮六所大明神 | 大國魂神社 | 大日如来 |