TOKIWA
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連載・第一篇 SERIES PART I
巻第三 第十六

上野国九ヶ所大明神

Kōzuke-no-kuni Kyūkasho Daimyōjin-ji — Shintōshū, Vol. III, No. 16
典拠神道集 巻第三 第十六
著者渡邉 朱鷺
巻第三 第十六 上野国九ヶ所大明神事
原 典

上野国九ヶ所大明神は、赤城・伊香保・児持山など上野の有力社なり。

本地はそれぞれ観音・薬師・不動などなり。

本地垂迹の理を明らかにし、神仏一体の証なり。

【要 約】

上野国(現・群馬県)の主要九社を一括して本地仏に対応させる縁起。赤城・伊香保・児持山をはじめとする有力神社それぞれの本地(観音・薬師・不動など)を列挙し、東国の在地信仰を本地垂迹の体系に組み込む。伊香保大明神事(巻第七)の「九人の子」伝説と連動する。

【注記】

上野国グループ(赤城・伊香保・児持山・抜鉾・那波・覚満など)は神道集の中で最も密度の高い縁起群を形成しており、神道集の成立と流布が上野国の唱導教団と深く結びついていたことを示す。九社を一括して扱う本章は、個別縁起(赤城大明神事・伊香保大明神事など)の総括的位置付けにあたり、地域の宗教的秩序を仏教の本地垂迹論で一覧化したものとみられる。